2010/07/29

クラカメを、もっと使ってやろうと思って

ここ最近、外出も急ぎ足気味の行程になることが多く
銀塩よりもデジタル中心の機材構成になりがちです。

そんなときよく持ち出しているのがこれ


Voigtlander PERKEO E。おそらく1953年製。
世界のカメラ史上、最小クラスの6x6判カメラ。Tessarタイプのレンズを載せた、
あるいは距離計付きの中判カメラとしてはたぶん世界最小。
35mm判では小型で有名なレチナとさほど変わらぬサイズしかない。
小型化の代償は、自動巻き止め機構と距離計の連動機構を欠くこと。それと、
f16までしかない最小絞り。けれど、写真を撮るのになんら支障は無い。

小さい中判を探して辿りつきました。日本ではあまり見かけません。

Super Ikonta 系にくらべると、情報も少ないです。
USのeBayで入手しましたが、アラートを設定して暫く待ちました。
比較的にレア機種だと思いますが、相場はえらく安い部類に入ると思います。
古いものですが、金属部の輝きは美しいのひとこと。メッキが厚いんでしょうかね。

EOS20Dよりずっと小さい!これでイメージサイズはAPS-Cの8倍以上ある。

幅x高さx厚さ=127x89x48㍉ 重さ510g。
デジイチとレンズ数本の鞄の隙間やポケットに入る小ささなので、
「とりあえず」装備に入れておくことができ、自ずと出動回数は多くなります。

レンズはCOLOR SKOPAR 80mm/f3.5。Tessarタイプと思われる。
シャッターはProntarSVS。最高速度はたったの300。同じX接点のついた
Synchro Compur に比べるとちょっとマイナー?
でも精巧に組まれた硬いバネを弾いたような澄んだシャッター音は、
実に繊細にして優雅。

レンズは Colar Skopar 80mm/F3.5。ZeissのTessarよりも柔らかく、
前ボケより後ボケのほうが美しい。ような、気がします。


おそらくPERKEO Eを特徴付けている、非連動距離計。
蛇腹カメラの距離計といえば、連動方法の工夫で各メーカーが競い合ったのだと
思うのだけど、このPERKEO E は、目測式の先行モデル PERKEO I/II の軍艦部に
非連動の距離計をのせるという、ずいぶん安直な方法で対応している。
しかし、ずっと前に作られたBESSAではとっくによくできた連動距離計を
実現していたから、技術が無かったわけでは無いはずだ。
Voigtlanderの経営が傾いてZeissに吸収されるまでにはまだ15年以上あるのだけど、
蛇腹時代の末期に作られたPERKEOシリーズはは最早ユーザーの期待に対して
相当時代遅れのスペックで、もう大規模な改良はできず、先行モデルの拡張でなんとか販売を稼ごうとしたのではないか…と想像する。もっとも、元々速写に耐えない蛇腹カメラとしては、非連動であることの問題は操作ステップが1つ増える程度でしかなく、
逆にこの割り切りの御陰で、最低限の実用性を得つつサイズをほぼ維持することに
成功しているとも言える。


距離計が連動式ではないので、測距したらレンズの距離指標を合わせて
再度構え直す必要があり、測距精度が劣るはずなのですが、
けっこうピント合います。
古いものなので露出計はありませんが、デジイチと一緒に使うので困りません。

ただ一点使いづらいと思っていたのが、
シャッタースピードが300止まり・最小絞りがf16止まりであること。
夕方にうっかりISO400を詰めてしまったまま夜に撮りきらないと、
次の日は ほとんど絞りっぱなしで撮ることになってしまいます。


そこで、今回これを解決するかもしれないアクセサリを入手しました。


K32(φ32カブセ)のND4フィルター。

Kenko製の特注品、と言っても2000円程度。
単に通常在庫していないだけでカタログには載っているので、ヨドバシで注文できました。
これを使えば、ISO400をISO100相当として使えるようになるので、
夕方までに12枚撮りきらないかもしれない場合や、
ちょっと薄暗いところに行くかもしれない場合にも
心置きなくISO400を詰めて持って行けますので、
使うのを躊躇ったり無理に撮り切ったりする
必要もなくなります。


銀色の鏡筒に黒フィルタは少々残念ではある。(そのうち、表面を削ってメッキしなおそうか?)

PERKEOには、鏡筒先端に一応ネジが切ってあるので(29.5φかな?)、
カブセじゃなくても良いのですが、問題はフィルターを付けたままで
装着したまま蓋を閉じようとすると、レンズ(シャッターユニット)を
支持しているアームと干渉してしまうこと。
薄枠のフィルターなら大丈夫かもしれませんが。
あるいは、枠をちょっと削れば、干渉しないように出来るかもしれません。
しかし沈胴時に蓋の裏側とフィルタが干渉しないかを確かめるのは簡単ではなさそうですし、
基本的には、閉じるたびにフィルタを外したほうがよさそうに思いますので
付け外しのしやすいカブセ式を選択しました。


付けるのを忘れたり露出計算を間違ったりというミスも出そうな予感ですが、
ともかく使うのを躊躇う理由をひとつ潰せたので、
もっと積極的に使っていきたいと思います。


しかしこうなると次は、フィルタ収納ケースつき速写ケースが欲しい
と思うようになったりします。
しかしこれは自作するしかないので。道のりは長そうです。

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